ヨーガの歴史


先日、生徒さんから
「日本でヨーガが始まったのはいつですか?」
という質問を受けましたが

しっかりはっきり答えられなかったので
日本のヨーガの歴史を調べてみることにしました。


◇日本のヨーガの始まり◇
ー瑜伽(ゆが)としてのヨーガ伝来ー

最初に日本にヨーガが伝わったのは
806年、唐より帰国した空海の時代にまでさかのぼります。

(なんと、平安時代です!)

その時は瑜伽(ゆが)としてヨーガが伝わりました。

瑜伽(ゆが)とは、仏教におけるサンスクリット語「yoga」の音写語で
瞑想が中心の修行法だったようです。

その後、真言宗や天台宗の「阿字観」等の密教行法として現在に伝わっています。



近代日本におけるヨーガの歴史は・・・

1919年(大正8年)に
大日本帝国陸軍の諜報員、実業家、思想家、ヨーガ行者であった
中村天風(なかむらてんぷう)氏が
天風会を設立し「心身統一法」を説きました。

30歳の時に結核を患った天風氏は、病を治すために世界を旅している中、インドのヨーガの聖人であるカリアッパ師に出会い弟子入りし、この修行を通じて結核は治癒し、さらに悟りを得るに至ったそうです。


その後、
1940年代 三浦関造氏「ハタ・ヨーガ」
1958年  沖正弘氏「日本ヨーガ協会」設立
1966年  佐保田鶴治氏「ヨーガ・スートラ」翻訳・解説

1970年代には第一次ヨーガブームが訪れますが、
1995年 オウム地下鉄サリン事件をきっかけにヨーガ人口が激減

しかし、2000年以降は、ハリウッドセレブを中心とした世界規模のブームが起き、現在に至ります。



ちなみに、世界でのヨーガの始まりは・・・

今から約4500年前(紀元前2500年頃)インド地方に生まれたインダス文明に、その起源をみることができます。

インダス文明の遺跡、モヘンジョ・ダロとハラッパーから座法や瞑想する人が彫られた出土品が発掘され↓↓


ヨーガインダス文明

これが「ヨーガ行者の源流」とされています。


ヨーガという言葉が初めて記されたのは、
紀元前1000年頃のウパニシャッド(奥義書)の文献です。


ヨーガの基本教典である「ヨーガ・スートラ」が編纂されたのは
紀元後400年頃、今から1600年程前のことです。


西暦400年頃は、日本では古墳が作られていた頃、古墳時代です。

そんな時代から、ヨーガは確立されていたなんて凄いですね。

1600年経っていても、その教典に記されている知恵が現代での生き方のガイドとしても使え
このことが、時代は移り変わっていっても、「本質」はいつの時代でも変わらないということを物語っていますね。


以上、大まかですが、ヨーガの歴史でした。


アーサナ(ポーズ)って何種類?


急に寒くなりましたね。
先週まで半袖だったのに、あわてて冬支度をしています。


前回、ラージャ・ヨーガのアーサナを載せましたが、
それに関連して、アーサナの番外編です。


「アーサナ(ポーズ)って何種類あるんですか?」
という質問を時々いただきます。


ヨーガの根本経典の一つ、『ゲーランダ・サンヒター』によると
アーサナの種類は、8400万種類
あるといわれています。


840,000,000種類…

数が大きすぎて、ピンときませんが…


なぜ、8400万なのかというと、
それは、この世に存在している動物や植物、自然の中のもの、
生きとし生けるもの全ての数が
8400万と考えられていたからだそうです。

天地自然に存在するもの全てがアーサナのモデルなんですね。


ちなみに、そのうち優れているといわれているアーサナは84種類で、
その中でも、特に重要なのが32種類だと、
聖典の中で取り上げられています。



コブラ、ネコ、鳥、バッタ、山、木、三日月、弓・・・

アーサナは生き物などの名前が付いているので、
ポーズをとる時にもイメージしやすいですね。


動物や魚、植物、山や月…
自然の中のもので、無駄なものは何一つありません。

そして何より、人間以外のものは、
自分自分のありのままを受け入れ、
受け入れた上で、自分自身を最大限に活かしていくという
能力がとても高い気がします。


私達もその能力を高めるために、
そのものに成りきってポーズをとり、

その生き物の体のしなやかさであったり、
また、その精神性の強さ、高さを
自分自身に吸収していきたいものです。

「生きとし生けるもの」全てが一つで、
全てが先生ですね。





「塞翁が馬」


8月も後半になり、暑さも少し和らいできましたね。
お盆も過ぎ、皆さん夏休みはいかがお過ごしだったでしょうか。

先週は、三男の手足口病のため、月・火の教室で
急なお休みを頂くことになり、申し訳ありませんでした。
かなりの高熱が出ましたが、お陰様で良くなりました。


ブログも長くお休みしてしまいましたが、
特に何をするわけでもなく、たまっていた本を読んでみたりと、
結構 ボーーっと過ごしてしまいました

今週で教室の夏休みも全て終わりますから、
ここでまた、気持ちを切り替えていきたいと思っています


さて、先日のブログ「応用研修会」の中で取り上げた
人間万事塞翁が馬(にんげんばんじ さいおうがうま)
に反響をいただいたので、
ここで取り上げてみたいと思います。


「人間万事塞翁が馬」とは

昔、中国の北方の塞(とりで)に住んでいた
翁(老人)の馬が逃げてしまったが、
しばらくすると、その馬が駿馬を連れて戻ってきた。
喜んでその駿馬に乗った老人の息子は、
落馬して足の骨を折ってしまった。
しかし、怪我をしていたおかげで兵役を免れ、
命が助かった。

という故事。


人生における幸不幸は予測しがたいということ。

幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、
安易に喜んだり悲しんだりする事はない。というたとえ。




木村慧心先生が好きな言葉で、
「起きていることに一喜一憂せず、
 客観的に物事をみて、
 そのままを受け入れていきなさい。
 それが、学びです。」
と、おっしゃいます。



本来、物事には、良い悪いというものはなく、
(ただ自分の判断基準で良い悪いを決めているだけ)


ヨーガ的に考えれば、不幸が幸せの元ならば、
全てが幸せなこと、なのです。


私もストレスに弱い方でしたが、
ヨーガを始めてからは、
嫌なことや面倒なことも、これが成長の糧となる!
とポジティブに捉えられるようになってきました。



物事は、常に移り変わっていて、
そして、全ては繋がっているから、
好転していくように、
この一瞬一瞬を大切にしないといけないけど、

今起きてしまっていることは、
すぐにまた変わってしまう
大きな流れの一点に過ぎないのだから、
一喜一憂しなくてもいい、ということですね。



ヨーガと食事


ヨーガは、人間を、肉体(食物鞘)から始まって、
スピリチュアル次元(歓喜鞘)まで、
総合的に人格を統合させる方法ですから、

健康な「肉体と精神」をつくるために、
食事の摂り方もとても大切にします。


ヨーガは基本的に“菜食主義”ですが、
それは、不殺生の教えがあるためと、
サットヴァ優勢の心身を養うためです。


前回のブログで、ヨーガでは、
「この世のものは、全て3つのグナ(性質)で
構成されているという考えがある」
とお伝えしましたが、

「食べ物」もまた然りで、
3つのグナ(性質)に分類されます。


「サットヴァ(善性優位)」な食べ物

「寿命を延ばし、勇気、活力、健康、幸福、喜び、を増大させ、口あたりがよく、美味で、滋養分に富み、気持ちのよい食物はサットヴァな者に好まれるのだ」
(バガヴァッド・ギーター第17章8節)


旬のものなど、美味しく新鮮で、栄養が豊富なもの。

こうした食品を食べる事で、心が落ち着き、
しかも機敏で、エネルギーに満たされ、
体も軽く感じさせてくれます。


「ラジャス(動性優位)」な食べ物

「苦く、酸っぱく、塩辛く、過度に熱く、刺激的で、ヒリヒリと辛く、苦痛と憂いと病とをもたらす食事はラジャスな者に好まれるのだ」
(バガヴァッド・ギーター第17章9節)


味付けの濃すぎる物や、スパイシーな食べ物、
コーヒーや紅茶、お酒等の嗜好品など。

怒りながら料理した人の食べ物も、
体と心をラジャスにするそうです。


「タマス(暗性優位)」な食べ物

「新鮮でなく、生気もなく、悪臭を放ち、食べ残しで不浄な食べ物はタマスな者に好まれるのだ」
(バガヴァッド・ギーター第17章10節)


新鮮でなく、悪臭を放ち・・・
たぶん、こういう食べ物が好きな人はいないですよね

現代でいうと(バガヴァッド・ギーターは紀元前の聖典です)
レトルトやカップ麺、冷凍食品、
缶詰などの、加工食品がタマスな食べ物の代表です。



サットヴァな食事がいいのはわかっていても、
なかなかそうはいかないのが現実です。

特に「ラジャス」。

ラジャスな食べ物は、濃い味で美味しく、
精神の働きを刺激するので、

食べると活力が湧いて、気分が上がる物が多いですから、
疲れている時などは特に美味しく感じて、
ついつい摂りすぎてしまいますよね。

タマスな食品にも、ついつい頼ってしまいます。


しかし!
食べ物は、「肉体と精神」をつくる材料。

今日食べた物が、
半年後、1年後の自分となるわけです。

ラジャスやタマスな食べ物を摂りすぎて、
健康に良いわけがありません。


「食事のバランスが悪いな〜」
ということに気がついたら、
早めにサットヴァに戻しましょう。

(ストイックになりすぎない事も大切です。)


自然と笑顔になるような、心が満たされる食べ物を
適量美味しく食べることで、
サットヴァ優勢の体を養うことができます。


「舌」が喜ぶものでなく、
「からだ」が喜ぶものを美味しく食べて、
心身共に健康になりたいですね







3つの「グナ(性質)」


先月(6月)の教室は、
「第3チャクラ」をテーマにヨーガをしましたが

「第3チャクラ」は“みぞおち”(胃のあたり)にあるので
「食」と関係の深いところ。

だから今回は、「ヨーガ的食生活」について
書きたいと思ったのですが、

その前に、「ヨーガ的食生活」の考えに欠かせない、
3つのグナ(性質)の事を書こうと思います。

この3つのグナ(性質)も、ヨーガでは
とても大切な考えなので、ぜひ覚えて下さいね!


******************

ヨーガでは、この世のものは、
すべて3つの性質で構成されていると考えられています。

この性質(質)のことを、ヨーガでは
「グナ」といいます。


そして、グナには次の3種類があります。

・ サットヴァ(純質)
・ ラジャス(激質)
・ タマス(鈍質)




それぞれのグナ(性質)の特徴は、

「サットヴァ(純質)」・・純粋

喜び、優しさ、知性を輝かせる性質。

自分の心に素直で、純粋な喜びで輝いている時、
心はサットヴァの質で満ちています。


「ラジャス(激質)」・・活発

肉体がせわしなく動いたり、行動をおこしたり、
心を休めることなく、何かを切望すること。


このラジャスの質が高まると、貪欲さ、活動、野望という
気持ちに心が占拠され冷静さを失い、
渇望と執着で体が落ち着かなくなります。


「タマス(鈍質)」・・不活動

「私は眠たい、動きたくない、私は知らない」と、
怠慢、不活発、無関心という性質。

タマスの質が高まっている時、
怠慢・無関心・不活発・混乱・迷いが現れます。




人はもちろん、どの生き物も、
また、世界にあるどんな物質も、

この3つの質をそれぞれ違った配分で
持っていると考えられています。


例えば、「鉄」はずっと“タマス(鈍質)”な状態ですが、

心(感情)を持つ人間は、この3つのグナ(性質)を
色々と変化させて生活しています。


今みたいな梅雨の時期は、雨雲のようにどんよりと
“タマス”な状態になりやすいし、

仕事がたくさんある時は、
“ラジャス”な状態になるでしょうし、

素晴らしい景色を観た時、深い感動をえた時などは、
“サットヴァ”になっている事と思います。

ヨーガをしたあと“サットヴァ”な状態になっている
というかたも多いのではないでしょうか。


サットヴァ(透明な純度の高い心)である時、
私たちは自分の本来の姿(穏やかさや慈悲深さ)で輝き、
心も満たされ、自然と優しい言葉や笑顔も出てきます。


日々の生活の中でも、心の波を沈め、
“サットヴァ”でいる努力をする事が、

本来の自分を輝かせる事であり、
魂を向上させていく修行となるのです。


また、この3つのグナ(性質)を超えて、
なにものにも囚われない自由な状態になるのが、
ヨーガの最終的なゴールとなります。



参考図書:やさしく学ぶYOGA哲学 バガヴァッドギーター(向井田みお 著)

*********************


次回は、このグナ(性質)を元に「ヨーガ的食生活」
のお話をしたいと思います。

早いもので、もう7月も一週間が過ぎ、明日は七夕ですね。

梅雨もまだ続きそうですが、“タマス”や“ラジャス”
にならず、心は晴れやかに、
“サットヴァ”目指して頑張りましょう

プロフィール

小荒井伸子

Author:小荒井伸子

日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ療法士
日本ヨーガ療法学会会員

インド中央政府公認ヨーガインストラクター
インド中央政府公認ヨーガセラピスト

日本森林ヨーガセラピー普及協会認定ヨーガインストラクター

アロマテラピー検定1級


青梅市を中心に、ヨーガサークル・
コナミスポーツ・自立支援センター等にて
「こころ」と「からだ」を健康にするヨーガ教室を開催しています。
    
東京都青梅市在住

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR